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パニック障害の時にどう漢方薬を使うか

大事な試験のときや大勢の人の前で話すときなど、いつもと違った場面で緊張し心臓がドキドキしたり、汗をかくというのは、珍しいことではなく当たり前の反応です。けれど、不安や心配が過度になり過ぎてしまい、いつもの日常生活に大きな影響がでてしまったら、それはもしかしたら不安障害というものかもしれません。不安障害といっても様々な症状があり、心だけでなく体にも不快な変化をおこします。代表的なものにパニック障害といわれるものがありますが、どういった症状があり、病院での治療と漢方ではどのように違うか、どのように考えるかをお伝えしたいと思います。

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《パニック障害とは》

理由もなく突然、発汗や動悸、めまい、吐き気、窒息感、手足の震えといった発作(パニック発作)を起こし、そのために生活に支障が出ている状態を指します。こういった症状が出ているのですが、呼吸器系、循環器系、脳神経系など身体的検査では、明らかな異常が見られません。目に見える傷があるわけでもないため、他人からは分かりにくい、理解してもらえないといった特徴があります。命が脅かされているような不安や恐怖を感じてしまうので、命の危険が迫っているように感じてしまいます。

予期不安を感じてしまうため、人混みや電車が苦手なため、外出が難しくなる場合もあります。

治療としては、薬の服用を中心として、苦手なことに少しずつ慣れていくといった認知行動療法というものがあります。

パニック障害は、決して珍しい症状ではありません。1000人中6~9人は、一生の間にパニック障害にかかるといわれています。

 

個人的には、認知行動療法はかなり負担になるので、無理にはしないほうがよいと考えます。お客様も体調が少しづつ良くなってきたら、苦手だと思っていたこと、考えるだけでも体に症状が出ていたものが、意識せずに出来るようになったとおっしゃいます。

 

《パニック発作時の精神的症状と身体的症状》

パニック発作では、強い恐怖又は不快感に加え、次に記載する精神的症状と身体的症状の4つ以上が突然発現するといわれています。

・窒息感

・死への恐怖

・火照りもしくは悪寒

・吐き気、下痢もしくは腹痛

・非現実的、外界との遊離感もしくは違和感

・正気を失うこと、自制を失うことへの恐怖

・ふらつき、目眩もしくは気が遠くなる

・震えもしくは振戦

・発汗

・痺れもしくはぴりぴり感

・頻脈もしくは動悸

・呼吸困難もしくは息切れ

心臓などの重要な臓器に関わる症状をパニック発作では引き起こすが危険ではありません。また、鬱の症状もパニック症の人の多くに認められます。

通常は、10分以内に最高潮に達するが、数分で消失します。ひどい発作が起こることへの恐怖感が残るものの、症状の多くは残りません。

《西洋医学的治療法》

・抗うつ薬:選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)

副作用:下痢、体重減少、頭痛、自殺念慮、震え、吐き気など

使用の長期により体重増加や性機能障害がみられることがある

 

・抗不安薬:ベンゾジアゼピン系薬剤

副作用:記憶障害、反応の鈍化、眠気、協調運動障害など

抗うつ薬と比べて即効性があるが、薬物依存になる可能性がある

人前で何かを行うことへの苦痛から生じる震えや発汗、頻脈の改善にβー遮断薬が使われることがある

 

《曝露療法》

フラッティング:1~2時間で集中的に不安を引き起こす刺激を与える

段階的曝露:曝露の時間と回数を徐々に増やし、コントロールできるレベルに引き上げていく

 

《漢方的にはどのようなことが起きていると考えるか》

気の上逆(気の上衝)が起きていると考えます。気の動きには、正しい方向があります。下へ向かう気が上に突き上げてきた場合に起きる症状がパニックの症状です。

正しい気の方向へ進めない原因には、

胃の働きが弱い

心の血液が少ない

ストレスが原因で気の停滞を起こしている

腎の働きが弱っている

など

《パニック障害に用いる漢方薬》

・半夏厚朴湯

・桂枝加竜骨牡蛎湯

・柴胡加竜骨牡蛎湯

・抑肝散加陳皮半夏

など

 

《今すぐ出来る生活改善》

パニック発作を起こしやすいもともとの体質というものもありますが、気の流れを異常にしてしまう食事や水の摂り方、生活でのちょっとしたことがあるので、ぜひ見直してください。

・甘い物は気の流れを停滞させてしまいます。食べ過ぎに注意しましょう

・水の摂り過ぎは、胃を弱らせてしまいます。飲み過ぎに注意しましょう

・入浴すると気のめぐりがよくなるので、シャワーではなく湯船につかりましょう

・ミネラルの補給になる自然海塩をしっかりとりましょう

 

《まとめ》

パニック障害は決して珍しいものではありません。体を流れる気が、本来と違った方向へいったために不快な症状を引き起こしてしまいます。もともとの体質からくるもの、年齢の変化、ストレス、ちょっとしたこと、何気ない事をきっかけに起こります。まわりに理解されにくので、自分一人でかかえてしまい我慢している方も多いですが、漢方薬の服用と生活習慣、食習慣の見直しで良くなっていきます。病院のお薬のような即効性は期待できませんが、発作時に服用できる漢方薬を使いながら、体を調えていくことで不安から解放されていきます。

電車に乗ることが出来なかった方、1人での外出が不安だった方、昼寝をしようとすると動悸や頻脈に悩まされた方、以前の不安が思い出されて、1人苦しい思いをされていた方が、漢方薬を継続して服用されることで、普通の生活が出来るようになったと喜んでいただいています。京都、向日市の漢方心愛薬局にお気軽にご連絡いただき、お話しだけでもお聞かせください。

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