その他メンタル婦人病
なかなか治らない舌の痛みになぜ漢方薬が有効なのか
外からわかりずらいためなかなか理解されにくい舌の痛み。原因もわからず腫れなどもみられないことから、病院では異常がないといわれることもあるようです。こういった舌の痛みを舌痛症といいます。
この舌痛症の特徴と病院にいけばどのように診察され治療が行われるのか、また、漢方ではどのように考えていくのかをみていき、なかなか治らない舌の痛みに漢方薬がよかったことをお伝えしたいと思います。
《舌痛症の特徴》
1.舌に部分的で続く痛みがある。ヒリヒリ、ピリピリ、チクチク、焼ける感じの痛みを訴える
2.痛む部位は、舌の両側の舌縁、または先端である舌尖部に多い
3.食事や会話の時には、痛みは消えていて、刺激がある痛みや接触した時の痛みはない
4.舌に腫れなどの異常はみられない
《原因》
唾液の分泌低下、口の中の乾燥、微量栄養素の低下。長引くストレスなどの問題、見えないような傷や真菌が関係しているとも考えられている。更年期の女性にも多く見られるので、内分泌機能の異常が関係していると考えられるが、はっきりとわかっていない。
《なりやすい人》
口腔が乾燥している人
ストレスを感じている人
口の中に入れ歯などをしているために、気になってストレスになっている
口腔内に金属が使われている場合は、アレルギーの原因になって発症
閉経後の女性
《病院での治療》
ストレスが関係していると思われる場合は、抗うつ薬、抗不安薬、抗てんかん薬などが処方される。
口腔内の乾燥に対しては、人工唾液のサリベートというスプレーが使われる。
栄養素の不足があると思われる場合は、鉄剤、亜鉛、ビタミンB群などの栄養素が投与される。
《漢方ではどのように考えるか》
舌の痛みである舌痛症は熱が関係していると考える
ストレスを感じている場合、心と肝が関係していると考える
口腔内の乾燥がる場合は、胃が関係していると考える
舌先の痛みの場合は心が関係していて、舌の縁が痛い場合が肝が関係していると考える
《舌の痛む場所と他の症状から漢方薬を決める》
・舌の縁が痛くて、口の中が苦く、イライラして怒りっぽい。顔ののぼせがある。➡加齢やストレスの影響が強いので、気の流れをよくする漢方薬を使う
・舌先のピリピリとした痛みがあり、寝汗、あせり、不安感、不整脈、不眠がある➡加齢により、心と腎の働きが不安定になることが原因しているので、熱を冷まし、心を安定する漢方薬を使う
・舌の痛みとともに口が乾く。舌にひび割れや苔が剝げたようなところがある➡胃の渇きが主に原因しているので、潤す漢方薬を使う
・舌の痛みの他、食欲不振、息切れ、疲労感があり、便がやわらかい➡胃の不調があり、気の不調もあるので、補う漢方薬を使う
・舌の痛みの他、手足の冷え、寒がり、むくみ、頻尿、夜間尿がある➡体の熱が少ないために起こるため、熱を補う漢方薬を使う
他にも組み合わさったものなどが原因して、舌の痛みを引き起こしている
《まとめ》
いろいろ検査しても原因がわからなかったり、病院で治療しているが改善しない場合は、漢方薬を服用して舌の痛みが改善出来る場合があります。漢方では、出てきている症状以外の症状から、体でどのようなことが起こっているかを考えて漢方薬を選び、舌の痛みが起こらないようにしていきます。
《2024年1月より舌の違和感が出現されたAさまの場合》
舌のピリピリした痛みと舌の一部分が剥げたようになっているためご同年6月に相談に来られたAさま。病院は耳鼻咽喉科の他に口腔外科も受診された。舌癌かと思い検査もしたが異常がなかった。心因性と診断され、ストレスが原因していると改善するのに時間がかかると言われ、漢方心愛薬局に来られた。舌を見せていただき、いろいろお話しを聞くと、確かにストレスが関係しているということがわかった。熱を取り除く漢方薬を一週間のまれ、舌の剥げた部分が改善して痛みも消失。ただ、これまでも症状が一時的に改善することがあったと言われたので、ストレスによって熱が発生する理由や症状を引き起こすメカニズムなどを説明して、しばらく漢方薬はお飲みいただくことになった。1か月後に来られたときも症状は改善していた。
Aさまの場合、明らかにストレスが関係していました。体が舌に症状を出すことで、Aさまの心にある重荷を知らせてくれています。原因がわかって、漢方薬を飲むと症状が一時的に改善します。けれど、自分の本当の気持ちに気付き、心が軽くなるようにしていくのは、漢方薬を選定した私ではなく、あなたです。
京都、漢方心愛薬局にお話しだけでもお気軽にお聞かせください。ご相談おまちしております。