不妊症について
「不妊症」とは、妊娠を希望して1年以上結果に恵まれない状態と定義されています。漢方医学では、「不育」または「不孕(ふよう)」とも呼んでおり、男性不妊症と女性不妊症に分けて対処することもあります。
当薬局では、「妊娠を希望する二人で取り組むこと」という考えに基づいて、出来るだけパートナーがそろった状態でカウンセリングを受けられることを推奨しています。
不妊症の主な原因
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排卵をコントロールする
ホルモンの問題女性の身体に不妊の要因がある場合は、排卵に何らかの障害がある事例が多いと考えています。排卵は基本的に1ヶ月に1回程度の周期で起こります。しかし、過労や心配事など心身にストレスがあると、卵包刺激ホルモンや黄体形成ホルモンの分泌が減って排卵周期が乱れることもあります。
また、プロラクチンという乳腺刺激ホルモンが多い場合も排卵周期がばらつくことがあります。 -
卵管の問題
卵子を卵巣から子宮に運ぶ管を卵管と呼びます。この卵管が何らかの要因で詰まった場合は、排卵周期は順調でも妊娠に至ることができません。卵管が詰まる要因としては、子宮腺筋症を含む子宮内膜症や、子宮筋腫のほか、骨盤の周辺に外科的処置を行ったことなどが考えられます。
また、子宮外妊娠が起こって卵管がダメージを受けた場合にも、卵子が子宮に到達しにくくなるケースがあります。 -
子宮頸部の問題
子宮頸部(しきゅうけいぶ)は、子宮の下側と膣を結ぶ部位です。健康な状態の子宮頸部には粘度の高い液体があって、異物が入り込まないようにできていますが、排卵の前には精子を受け入れやすいように液体の粘度が低下します。
しかし、排卵の前になってもこの液体の粘度が下がりにくい場合、精子が子宮に侵入しにくいため、受精しにくい状態になることがあります。 -
精子の問題
男性側の要因として考えられるのは、ほとんどは精子に関連する問題です。一般的には、精子の量が4千万程度を超えていなければ、妊娠に至りにくいとされています。そのため、精子の量が少ない(濃度が薄い)場合や、精液の量が少ない場合はなかなか受胎に至ることができません。
また、精子の形状に異常がある場合や、精子の運動量が十分でない場合なども不妊の原因となります。 -
年齢の問題
個人差はありますが、女性の年齢も受胎の成否を左右します。平均的な数値として、35歳くらいを境に妊娠成功率が減少して、流産の率が上がると言われています。
男性にも年齢の影響は見られますが、女性に比較すると影響は小さいといわれています。 -
性交の問題
性交自体が無ければ「自然な形での妊娠」に至ることはありません。しかし、何らかの事情で性交が難しい、性交から遠ざかってしまうということもあります。例えば、過労や精神的なストレスなどで性欲が低下していたり、忙しさからパートナーと時間が持てなかったりすることもあるでしょう。
また、性交時に痛みを覚えてしまうと、行為自体を遠ざけてしまうというケースも考えられます。
漢方の不妊治療に対する効果
漢方は、「気」=自律神経、「血」=血液の循環、「水」=体液の循環、という要素を重視します。この3つが順調であれば、身体を健康な状態に導くことができる、という考え方です。そのため、血液の流れを順調にすること、自律神経のバランスを整えて「冷え」を解消することで、不妊で悩む方をサポートすることができます。
漢方による妊娠しやすい
身体づくり
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気を補う代表的な生薬人参・黄耆・大棗・白朮・甘草など
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気の滞りを解消する代表的な生薬柴胡・枳実・陳皮・半夏・厚朴・香附子など
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血を補う代表的な生薬地黄・当帰・芍薬・阿膠・酸棗仁・竜眼肉など
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血の滞りを解消する代表的な生薬牡丹皮・桃仁・紅花・田七人参・延胡索など
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精を補う代表的な生薬鹿茸・鹿角・鹿角膠・鹿角霜など
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気
「気」が滞ると、血流が悪くなりますし、身体の「冷え」も起こるため、胎児を子宮の中で維持することが難しくなります。「気」は、「冷え症」だけでなく、食欲不振や疲労がたまりやすい状態も作りますし、イライラや落ち込みなど精神的に不安定な状態に導きます。
また、習慣性流産(不育症)も「気」に関連しています。 -
血
「血」は、肌荒れや顔色にも関連しますが、子宮を健全な状態で維持することに重要な役割を持っています。血流量の不足や流れに停滞があると、子宮内膜症や子宮筋腫などのリスクが上昇し、妊娠の弊害となる可能性があります。
当薬局では、無月経や生理不順などを踏まえて、「血」を補う処方をいたします。 -
精
「精」とは、「いのち」のエネルギーであり、妊娠するために欠かせない要素です。精は「気」「血」を充実させる存在ですが、加齢とともに衰える傾向があります。
男性不妊症が考えられる場合や、原因がわからない不妊であれば、当薬局は「精」の減少を補う処方を行って状態を改善します。 -
POINT
こんなお悩みを
お持ちの方におすすめ- 原因不明の不妊症と診断された
- 不妊症以外にも困っている症状や体質がある
- 病院での不妊症治療に心身ともに疲れ果てている
- 生理不順や無月経(排卵障害や無排卵)がある
- 人工授精や体外受精がうまく成功しない
- 精子の濃度や運動率などに問題がある
子どもができないことは
病気ではありません
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子どもができない、生まれないということは病気ではありません。
子宮や卵巣、卵管などの器質的な問題から子どもができないということもありますが、ココロが不安定であったり、栄養が不足していれば、自分の身体を守るために赤ちゃんができないように、生まれないようにしてしまうことがあります。
人ひとりをこの世に生み出すということはそれくらい大変なことを身体がするということです。
命を生み出すご自身の体が何よりも大切です。そのため、妊娠しやすい身体作りが、遠回りにみえても何よりも大事になってきます。
病院での不妊治療では、お薬を使って卵胞を発育させたり、排卵させたり、または防いだり、ホルモンの数値を上げたり下げたりします。お薬を使うことが長期になってしまうと身体への負担が大きくなってしまい、子宮や卵巣が疲れてしまうこともあります。体外受精、人工授精、顕微授精で受精卵を作ることはできます。けれど、それから先の受精卵を着床させ、それを継続し育てて出産にいたるまでの大仕事をするのは、女性の身体です。 -
赤ちゃんが授かりやすいココロと身体作り
ある畑に種(受精卵)を蒔いたとします。
ところが、その畑は普段耕していない、手入れをまったくしていないためゴミや瓦礫がありました。そのような畑では、種を蒔いてもなかなか上手く芽が出ません。漢方薬は、ゴミや瓦礫を除きながら(生殖機能を高め)、耕してくれます。畑に水と肥料を与え、芽が出て大きくなっていくの楽しみにして過ごす。
このようにして、漢方薬は赤ちゃんが授かりやすいココロと身体作りをしていきます。
今日から実践できる
妊娠しやすい身体づくりの
ポイント
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栄養バランスのとれた
食事を摂る栄養バランスのとれた食事は健康に良いだけでなく、妊娠に向けた身体作りの基本となります。
そのため、かたよった食事を避けてバランスの良い食生活を心がけましょう。 -
身体を
冷やさない身体の冷えは血行障害にも繋がるので、妊娠を阻害する要因となります。
そのため、新陳代謝や血行改善を意識して体を冷やさないこと、入浴などで体を温めることを意識しましょう。 -
十分な睡眠と
休養を取る現代社会は忙しいことが普通で、身体が疲れやすく、ホルモンバランスも崩れがちです。
そのため、休養や睡眠をしっかり取って体調を整えることも大切です。 -
ストレスをためない
心配事やイライラなど、精神的なストレスがあると血流の悪化やホルモン分泌の乱れ、内臓の不調などが起こります。
そのため、ストレスをためないことや解消することを意識的に行いましょう。 -
軽い運動をしましょう
無理のない程度に体を動かせば、血流が良くなり、ストレス解消にも繋がります。
妊娠しやすい身体を育むためにも、日常に軽い運動を取り入れることをおすすめします。