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生理痛・生理不順

生理痛について

  • 生理痛は、専門分野では「月経困難症」とも呼ばれています。生理の前後や生理中には、頭痛や発熱、下腹部のだるさや腰の痛み、下痢や軟便、嘔吐や吐き気などが起こりがちです。
    生理痛は、原因が分かっていない点もあり、それらは「原発性月経困難症」と「機能性月経困難症」に分類されます。
    また、「続発性月経困難症」や「器質性月経困難症」は、骨盤内うっ血症候群や子宮筋腫、子宮内膜症や子宮腺筋症に起因することがわかっています。

  • 生理痛の原因

    漢方医学の見解では、生理痛は「不栄則痛」と「不通則痛」に分類されます。不栄則痛は、子宮の栄養状態が思わしくないことに起因しています。一方の不通則痛は、「気」「血」「水」という体内に必要なものの循環が悪いことに起因します。
    どちらも冷えや加齢、疲労やストレスなどに関係するので、漢方薬で体質改善を行います。

  • 漢方治療のポイント

    生理のお悩みがある場合は、生理周期の乱れや月経痛の有無、排出物の色や量などをチェックすることが状態改善に繋がります。異常や気になる点がある場合は、「気」や「血」の流れが乱れている可能性があるので、漢方医学では状態に応じたお薬を出すことで体質改善ができるからです。
    生理痛のお薬の代表的なものとしては、桂枝茯苓丸や逍遥散、桃紅四物湯や当帰四逆加呉茱萸生姜湯などがあります。
    当薬局では、お悩みの状態に合わせて、上記の4つの薬をベースとしながら、独自の処方を行う場合もあります。

生理不順について

  • 理想的な生理の周期は、25~31日とされていますが、25~38日程度でも一般的な範囲です。
    一方、24日以下の周期で生理がくる場合は「頻発月経」と呼びますし、39日以上の周期で来た場合は「稀発月経(きはつげっけい)」と呼びます。さらに、18歳以上になっても生理が来ないケースは「原発性無月経」、3ヶ月以上も生理が来ない場合は「続発性無月経」と名付けられています。また、生理の量が非常に少ない例も生理不順として考えられます。

  • 生理不順の原因

    漢方医学では、生理のメカニズムは「腎」という臓器に関連すると考えられています。「腎」は身体の成長だけでなく、老化やホルモン分泌にも深く関わっているからです。
    生理は、仕事や日常の心配事など、心身のストレスに左右されますし、無理なダイエットで周期が乱れることもあります。
    「生理」は生物として見ると、妊娠に至るための準備です。身体に問題がある状態で妊娠すれば母子ともに危険な状態に至る可能性があるので、危機回避として生理不順が起こるのです。

    • trouble01

      月経先期
      (生理周期が短い:21日以内)
      未発達な卵胞が排卵されることや、黄体機能が低下していることで高温期も短くなって生理が早まります。ほかには、排卵が上手くいかずに無排卵出血に至ることもあり得ます。
  • 気虚(ききょ)タイプ

    サラサラで色が薄く、量は多めです。生理の後半に鈍い痛みを伴い、不正出血も見られます。めまいや食欲不振、むくみや疲労、倦怠感やお腹の張りを伴います。「気」が不足すると生理が早くなる傾向があります。

  • 実熱・虚熱(じつねつ・きょねつ)タイプ

    生理の排出物は粘度が高く、通常より多い場合と少ない場合があります。便秘やほてり、のぼせやイライラ、口の渇きなどが見られます。体内に熱がこもると血の動きが激しくなって生理が早まります。お酒や辛いものの摂りすぎに起因する例もあります。また年齢的には、思春期や更年期にも見られます。

    • trouble02

      月経後期
      (生理周期が遅い:35日以上)
      卵子の成長が不十分で、低温期が長くなることで排卵が遅れる可能性があります。
      過去の例と比較して月経周期が長くなっている場合は要注意と考えましょう。
  • 血虚(けっきょ)タイプ

    サラサラで色が薄く、量は多めです。生理の後半に鈍い痛みを伴い、めまいや脱毛、動悸や立ちくらみ、眼精疲労や不眠なども見られます。「血」が不足すると卵胞が成熟しにくくなりますし、無理な減量にも注意が必要です。

  • 血瘀(けつお)タイプ

    色が濃く塊状の生理が出やすい上に、排卵痛や生理痛も伴います。冷えや肩こり、頭痛やのぼせ、シミやくすみなども見られます。冷えによる血流低下が生理の遅れに関係します。体が冷えないように注意しましょう。

    • trouble03

      月経前後不定期
      (生理周期が安定しない)
      周期が安定せず、排卵障害が起こっている可能性もあります。
      不正出血を生理と勘違いしてしまう例もあるので、異常や不安がある場合は、遠慮せず当薬局にご相談ください。
  • 気滞(きたい)タイプ

    生理の量が安定せず、生理前の胸の張りや痛み、月経前症候群や生理痛も見られます。便秘や肩こり、頭痛やイライラ、憂鬱感を伴うこともあります。「気」が「血」を押している状態にストレスが加わることなどで生理周期が乱れます。

  • 腎虚(じんきょ)タイプ

    生理の色が濃く無排卵も起こります。むくみや下半身のだるさ、難聴や物忘れ、精力減退や耳鳴りのほか、頻尿なども見られます。生理に関係する「腎」の機能が低下し、排卵に至る力が弱いことで生理周期が乱れています。

    漢方治療のポイント

    周期が長めの方には、二陳湯や八味地黄丸、加味逍遥散や十全大補湯を中心に処方します。周期が短めであれば、加味逍遥散や帰脾湯のほか、温清飲などを中心とします。
    さらに、生理周期が不安定な人に対しては、逍遥散が中心です。
    ここでは概要で記載していますが、当薬局はオーダーメイドの処方を基本としています。

生理痛・生理不順と
不妊・更年期障害の関係性

女性の身体はとても繊細で、
常にホルモンバランスに
変化が起こっており、
それが原因で身体やココロの状態に
大きな影響を及ぼしています。
特に、生理・妊娠・更年期(年齢)などには大きく関係してきます。

不妊・更年期障害の症状は、
生理痛・生理不順も
原因の1つです

子宮内膜症は生理不順や生理痛の原因となる疾患です。子宮内膜の剥離や増殖が腹膜や卵巣で起こると、痛みや炎症に繋がります。
腹腔の中で炎症が起こると、卵管や子宮、卵巣などで癒着が見られ、不妊に繋がる卵管の通過障害のリスクも高まります。
また、受精卵の着床を阻害する要因として、子宮筋腫の影響で卵巣と卵管出口の関係性が悪くなることや、子宮内隆起病変が考えられます。さらに、若年層では機能性月経困難症が子宮内膜症に発展する例も見られます。
これらのことから分かるのは、生理不順や生理痛が不妊症に繋がる例は少なくないということです。
また、身体のどこかに不調があるとホルモンの分泌バランスが崩れて、不妊に至ることや更年期障害に繋がることもあります。

生理痛・生理不順時の
体調を整え、
不妊・更年期障害になりにくい
身体を目指します

当薬局は、不妊や更年期障害を防ぐために、それぞれの方の生理の状態や体質、諸症状を踏まえて、「気」「血」「水」の流れを整えることを目指しています。
それぞれの詳しい治療については、以下ボタンよりご参照ください。