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熱中症の予防に五苓散や白虎加人参湯
毎日、本当に暑いです!!
テレビでも水分摂りましょうって言ってくれてて、暑くて暑くて喉も乾くし、熱中症の予防のために、クーラーのきいた部屋にいて、水分しっかり摂ってた。けれど、熱中症になってしまったって方がいます。
これってどういうことでしょう。。。?
熱中症は、命にかかわることなので、自分の命と大切な方を守るために、熱中症はどういった症状があって、どんな人がなりやすいか、どういう対象法があるか知り、漢方薬や日々の過ごし方で予防して、夏を乗り切っていきましょう!!
【熱中症の症状と対処法】
熱中症は、症状の軽い重いによって、Ⅰ~Ⅲ度に分けられます。
Ⅰ度:軽症。大量の汗をかき、口渇、熱感、顔面蒼白、ふらつきの症状がある。
屋外なら日陰で休むか、クーラーのきいた涼しい部屋で休む。
体を冷却をして、経口補水液などの水分を補給する。
Ⅱ度:中等度。大量発汗、口渇、頭痛、悪心嘔吐の症状がある。
体の冷却。経口補水液などの水分を補給する。
Ⅲ度:重症(熱射病、日射病)。 意識障害、痙攣といった症状がある。
かなり危険な状態なので、救急車を呼んでください。
救急車が到着するまでに、できるだけ涼しい部屋に移動してください。
首、脇、大腿部の付け根を濡れタオルなどで冷やしてください。
【熱中症になりやすい人】
・胃の弱い人
胃が弱い自覚がある人以外に、舌の状態で胃が弱いかわかります。
舌がぼってとむくんでいる人、舌に歯型のある人は、水分の処理が出来なくて体の中の水はけが悪いです。
こういった人は、熱中症の予防のために、水分を摂れば摂るほど、胃が弱ってしまい、中に熱をため込んでしまって、体温調整ができなくて、熱中症になってしまいます。
・高齢者
温度の変化に気づきにくくなるのと、体温の調節がうまくいかなくってしまいます。
また、筋肉で水分を保持するのですが、高齢になると筋肉が少なくなって、水分を保つことができず、隠れ脱水を引き起こして熱中症になってしまうことがあります。
・子供
体温調整がまだ十分にできないため、熱を体にためてしまって、うまく発散できなくなり、熱中症の症状を引き起こしてしまいます。
【熱中症予防のための水分の摂り方】
冷たいもの、水分、飲み物を摂ると、確かに体温は下がるので、時には必要なのですが、冷たいものばかり摂ると、胃の消化酵素が働く温度が下がってしまうために、消化できなくなって胃が弱ってしまいます。また、冷たいものは、飲めば飲むほど喉が渇いてしまいます。
糖分が入った甘いジュースは摂り過ぎてしまうと、急性の糖尿病のような状態になり、飲んでも飲んでものどの渇きは解消されなくなってしまいます。
できるだけ、常温かぬるめのものをチビチビのむか、冷たいものを摂るときは、口の中でしばらくとどめてから飲み込むようにしましょう。冷たいものが欲しいのは、口の中だけで、胃はとても迷惑しています。
冷たいものは、ついつい摂り過ぎてしまいます。ごくごくと勢いよく飲めてしまうので、摂り過ぎからめまいや頭痛、腰や膝、首などの痛みの原因になることがあります。
すっと昔は、塩分を摂るようにいわれませんでしたが、水分と塩分も摂りましょうと言われるようになりました。
塩分は、汗で失われたミネラルの補給と体に吸収されやすい濃度が大事になってきます。
変な塩分の摂り方や塩飴など商品の種類によっては、かえってのどが渇き、だるさやバテる原因になってしまいます。
ミネラルが十分摂れる自然海塩か、昆布茶やみそ汁など食事などから摂るようにしましょう。
ごはんは、炭水化物といいます。お米に水を加えて炊いて食べるので、ごはんとみそ汁と野菜の煮物、酢の物のような和食を食べていると、水分はだいたい摂れています。しかし、パン食や粉もの、偏食が多い、また、利尿剤などのお薬を飲んでいると脱水を起こしやすいので、そういった方はかくれ脱水などに注意したほうがよいです。
【隠れ脱水のチェック】
特に65歳以上の方
・皮膚がかさつくようになった
・皮膚につやがなく乾燥している
・ポロポロ皮膚が落ちる
・口がねばつくようになった
・食物がパサつく
・唾が少なくて、唾をゴクンと飲めないことがある
・便秘になった、或いは、以前よりひどくなった
・手の甲を摘まみ上げて離した時、摘まんだあとが3秒以上の残る
・足の脛にむくみが出るようになった
・靴下のゴムの跡が、10分以上残る
尿が全然出ていないようなら、隠れ脱水の可能性があります。
喉の渇きを感じていなくても、食事をしっかり摂り、水分もチビチビ摂るようにしましょう。
神奈川県立福祉保健大学 福祉保健部栄養学科
谷口英喜教授によるチェック
【熱中症予防の漢方薬】
熱中症の予防には、五苓散という体の水分のバランスを整える漢方薬がおすすめです。
のどの渇きが異常な人は、飲み物を飲み過ぎてしまう人は、白虎加人参湯が良いです。ただ、舌が白っぽくなっていて、胃が弱っている方はやめておいたほうがいいと思います。
もともとの体質などに合わせて、他の漢方薬のほうが良い方もいます。
【まとめ】
人間は、外の温度によって体温が変化しない恒温動物です。夏の気温は、体温以上になっているので、調整することは難しく、生卵をゆでると固まるように、血液がかたまり流れが悪くなってしまいます。熱中症になってしまう、またはなってしまった状態は、まさにこの状態。最近の夏の暑さは、尋常ではないので、一年のうちで健全に過ごすことが難しくなっていると思います。
熱中症は、命を落としかねないほど注意が必要なのですが、それを避けたいために水分を摂り過ぎたり、体を冷やし過ぎると、秋にめまいや頭痛、倦怠感、咳や風邪を引きやすくなり、免疫力にも影響を及ぼしてしまうので、夏の過ごし方がその先の体調を決めるといってもよいと私は思っています。
熱中症を引き起こす邪は、漢方では暑熱邪といいます。急に症状を大きく悪化させる特徴があります。
いつだったか、夏に小学生の数名が熱中症で病院に搬送されたというニュースがありました。引率の先生は、さっきまで元気だったのに、急にぐったりして。。。これが暑熱邪の特徴です。
「ちょっとしてから休憩しよう」は絶対ダメ!!
暑かったら体を適度に涼しくしたり、日陰に行ったり、こまめに休憩をとるようにしてください。特に高齢の方、小さいお子さんは、早め早めに休憩をとり、体をクールダウンするようにしてください。
水分、塩分を摂ること、体を涼しくすることは、とても大事なんですが、その方法がめちゃくちゃだと、ムカムカ、下痢、便秘、めまい、頭痛、関節痛、咳などの症状になるので、くれぐれも自分の体質、体調に合わせてください。
秋や冬にめまい、咳、痛みなどの体調不良を起こしやすい方は、夏の過ごし方、予防の仕方を京都、漢方心愛薬局にお気軽にご相談ください。