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漢方薬で体のバランスを調えて不眠を改善

睡眠は大脳を休めて、栄養補給をし、体のメンテナンスをする時間です。

快食、快眠、快便といいますが、快食は外食やお惣菜、サプリメント、快便は便秘薬でなんとかその場をしのぐことは出来ます。

しかし、睡眠だけは何かで代わりをするわけにはいかず、眠剤に頼っても、眠れるようになったという方は実は少ないです。

【不眠の人は意外と多い】

日本人の5人に1人が不眠を自覚していて、これは他の国に比べて非常に多い。男性では40~70代、女性は年齢とともに増加、65歳以上では3人に1人は不眠。

睡眠薬を服用している7割が中高年。これは成人の20人に1人が睡眠薬を服用していることになります。

 

高齢になると、眠れないという方はかなり多く、大半は安定剤や睡眠導入剤を使っています。

カウンセリングに来られた方も、不眠の方は意外と多く、若い方でも眠れないのが当たり前になっている方も少なくありません。

 

【薬で眠れるようになるの?】

病院では、眠れない場合は睡眠導入剤を出してくれます。

初めて飲んだ時は、「よく眠れた」「久しぶりに寝れた」という感想をもつと思います。しかし、病院のお薬を継続している方から「飲んでいるが眠れない」「飲むことが癖になってしまっていて、やめたいと思ってはいるが、やめるのも不安」「飲んでも飲まなくても、眠れない。変わらなくなってきた」といったことを耳にします。ドラックストアでも睡眠改善薬がありますが、飲んでもあまり効果がなかったという方も実は多いです。

 

【眠剤の副作用ってあるの?】

お薬が残ってしまい、朝ぼーっとしてしまう。起きても眠いといったことがあります。

また、高齢になると、お薬を体の外に出す力が弱くなる、つまり体に残ってしまいふらつきの原因になってしまいます。

ふらつき➡転倒➡骨折の危険にもつながってしまうので、なるべく飲まないほうがよいのですが、眠れないことはとてもつらいことです。

 

【漢方で考える、日中と睡眠時に体で起きてること】

日中は、気の活動が高まって身体は動き、心拍・呼吸数・体温が上昇し、各臓腑機能が活発になります。

睡眠時は、気の活動は陰の力で抑えられ徐々に低下します。外を守っていた衛気は体内に入るので、防衛作用は弱くなるため、布団をかけずに寝ると風邪を引きやすい状態になっています。体の動きは鈍くなり、心拍・呼吸数は減少し、体温は低くなります。

 

【不眠の種類と体で起きていること】

自然界も人体も同じリズムで出来ているので、そのリズムが崩れてしまったのが不眠です。

不眠と一言でいっても、いろんな状態があって、体で起きていることはそれぞれ違います。

 

★寝つきが悪い・布団に入っても眠りにつけない

➡これは脳が興奮している状態です。ストレスが原因しています。

 

★眠りが浅い、目が覚めやすい

➡脳に栄養が運ばれない状態なので、脳の疲れがとれない、深い眠りにつけないので、目が覚めやすい。寝た気がしないといったことを言われます。よく夢を見る。朝起きてすっきり感がないのが特徴です。

 

最初は寝つきが悪かった、または睡眠が浅かったのが、ほおっておくことで寝つきが悪く寝た気がしないといった症状になっていきます。

 

【漢方薬で出来ること】

リズムをつけることが目的です。一般的に知られている睡眠導入剤は寝る前の服用ですが、体のバランスが乱れたことが不眠を引き起こしていると考えるので、体を調えていくために1日3回の服用になります。

 

【漢方薬の服用で不眠を改善していくメリットデメリット】

メリット:体のバランスを調えるので、体調がよくなっていく

癖にならない

眠剤が体に残ることで起こる転倒や朝の眠気を避けることが出来る

デメリット:即効性はない

1日3回服用する必要がある

飲みにくい

 

【不眠を解消する生活】

眠剤や漢方薬を飲んで不眠を解消する前に、生活を見直すと、不眠は解消できるかもしれません。

ぜひ、出来そうなことがあればやってみてください。

1)朝は太陽の光で「体内時計」を整える。起床直後に日光が目に入ることで体内時計がリセットされて体全体が活動的になる。その14~16時間経つと体内時計の指令によって、皮膚から熱が放出し、身体内部の温度が下がり、次第に休息態勢に向かっていく。そして1~2時間後に眠りにつく。

2)日中は活動的に。睡眠物質は起きていた時間に比例して、脳脊髄液の中に溜まっていく。そうすると眠気をつかさどる脳視床下部にある睡眠中枢が活性化し、脳を休ませるために眠気が起こる。

3)寝る前にリラックスする「移行期」が必要。副交感神経が優位になると、体がリラックスした状態になり、血圧が下がり、呼吸数や脈拍数も低下して、眠りが深くなる

入浴は38~41℃が適温

寝る前に簡単な呼吸法を行って、体をリラックスさせる

寝付けない場合は、一旦寝床から離れ、自分の好きなことをして過ごす

寝る前のスマホは、ブルーライトが脳を興奮させてしまうので見ないほうがよい

睡眠薬代わりにお酒を飲むのは、たとえ眠れたとしても、睡眠の質は悪いのでやめたほうがよい

4)休日も朝はいったん起きて昼寝を活用。平日と休日の起床時間の差は2時間以内にする。眠くても一旦起きて日光を浴び、軽く朝食をとってから短時間の昼寝をするのもよい。

5)カフェインの入った飲み物は14時までに飲むようにする

 

早寝早起きといいますが、睡眠のリズムを整えるなら、起きる時間を早めにして、早起き早寝にしてください。

 

電気があるので遅くまで起きて、いろんなことが出来ます。テレビやパソコンなどもあるので、たとえ眠れなくても何かしらを見て時間を過ごすことが出来ます。しかし、はじめにお伝えしたように、睡眠は大脳を休めて、栄養補給をし、体のメンテナンスをする大切な時間です。

仕事や勉強を優先するために睡眠時間を削ることがかっこいいとか仕方がない事と思うかもしれませんが、慢性的な睡眠不足、睡眠負債は体に大きなダメージを与えてしまい、結果的にパフォーマンスを悪くしてしまうこともあります。睡眠が大きくかかわっている病気に認知症があります。眠っている間に、脳内をお掃除するので、睡眠が不足してしまうと取り除かれるべき物質が脳にたまってしまい、伝達や指令ががうまくいかなくなっていくのです。

不眠になる方は、夏から秋にかけて多くなります。寝苦しいために、睡眠の質が低下。夏休みや楽しい行事でついつい夜更かし。その習慣がいつもになってしまい不眠が当たり前になることもあります。

 

みんなが寝ている時間に、一人起きていることはつらいし、考えなくてもよいことを考えて不安になる方もいます。体のバランスが崩れてなってしまったことなので、調整してあげると睡眠はとれていくようになります。

 

漢方薬で体のバランスを整えて、快眠になり毎日をゲンキに過ごしたい方。京都府向日市にある漢方心愛薬局のお気軽にご相談ください。