その他婦人病
『当帰四逆加呉茱萸生姜湯・桂枝茯苓丸』手足の指先が冷たい末端冷え性。血流と漢方の関係
「手足の指先が冷たくて、なかなか温まらない」
「布団に入っても足先が冷たい」
「冬になると手足が冷えて、指先の感覚まで鈍くなる」
このようなお悩みはありませんか?
手足の指先が冷える末端冷え性は、女性に多くみられるお悩みの一つです。
手足が冷たいと、つい靴下を重ねたり、カイロで温めたりすることが多いと思います。
もちろん、外から温めることも大切ですが、冷えの原因はそれだけではありません。
今回は、末端冷え性の原因と血流の関係、漢方で考える冷えのタイプ、日常生活でできる予防方法についてお話しします。

【末端冷え性の原因は?】
私たちの体は、血液を全身に巡らせることで、酸素や栄養を届け、体温を保っています。
寒い環境では、体の中心部の温度を維持するために、手足など末端の血管が収縮します。
そのため、指先や足先は冷えやすくなります。
末端冷え性には、次のような原因が関係しています。
① 血流の低下
運動不足や長時間同じ姿勢で過ごすことなどによって、血液の巡りが悪くなることがあります。
特にデスクワークなどで長時間座っている方は、筋肉を動かす機会が少なくなり、冷えを感じやすくなることがあります。
② ストレスと自律神経
ストレスや緊張が続くと、自律神経のバランスに影響します。
交感神経が優位になると、末梢の血管が収縮しやすくなり、手足の血流が低下することがあります。
仕事や人間関係で気を張っている方、いつも忙しくてリラックスする時間が少ない方も、冷えとの関係を考えてみましょう。
③ 筋肉量の低下
筋肉は体内で熱を生み出す大切な役割を担っています。
運動不足や加齢によって筋肉量が減ると、熱を作る力が低下し、冷えを感じやすくなることがあります。
④ 食事や栄養の不足
食事量が少なかったり、栄養バランスが偏っていたりすると、体内で熱を作るためのエネルギーが不足することがあります。
無理な食事制限や欠食にも注意が必要です。
【漢方で考える末端冷え性と瘀血(おけつ)】
漢方では、冷えを単に体温が低いというだけではなく、体全体のバランスから考えます。
特に注目するのが「気・血・水」です。
末端冷え性では、血の巡りが滞る「瘀血(おけつ)」や、体を温めるエネルギーが不足する「陽虚(ようきょ)」などが関係していることがあります。
瘀血(おけつ)タイプ
漢方でいう瘀血とは、血の巡りが滞っている状態を表す考え方です。
次のような特徴がみられることがあります。
・手足が冷える
・肩こりや頭痛がある
・顔色がくすんで見える
・目の下にクマができやすい
・唇や舌の色が暗い
・月経痛や経血に塊がある(該当する方)
瘀血がある場合は、単純に温めるだけでなく、血の巡りを整えることも大切です。
陽虚(ようきょ)タイプ
体を温める力が不足しているタイプです。
・手足だけでなく全身が冷える
・寒がりで温かいものを好む
・疲れやすい
・むくみやすい
・尿の回数が多い
このような特徴がみられることがあります。
冷えの場所や程度だけでなく、胃腸の状態や疲れやすさなども確認していきます。
【末端冷え性に使われる漢方薬】
漢方薬は、冷えている場所だけでなく、体質や冷えの原因を考えて選びます。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)
手足の末端が特に冷えやすく、冷えによる痛みやしもやけなどが気になる方に用いられる漢方薬です。
血を補いながら、末端まで温める働きを助けます。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
瘀血が関係しているタイプに用いられる漢方薬です。
血の巡りを整えることを目的とし、冷えのほか、肩こりや月経に関する症状などを伴う方にも使われます。
ただし、これらの漢方薬がすべての冷え性に合うわけではありません。
同じ手足の冷えでも、体質や原因によって適した漢方薬は異なります。
【冷えをそのままにしていませんか?】
冷えは、日常生活の中で慣れてしまい、つい後回しにされがちです。
しかし、冷えが続くと、手足の動かしにくさや感覚の鈍さ、冷えに伴う痛みなどによって、日常生活に支障が出ることもあります。
また、皮膚は寒さや乾燥の影響を受けやすく、手足の乾燥やひび割れなどの肌トラブルにも注意が必要です。
顔色や肌のくすみが気になる方も、冷えや血流だけでなく、睡眠や栄養状態などを含めて体全体を見直してみましょう。
冷えは体からのサインの一つかもしれません。
【今日からできる末端冷え性の予防方法】
毎日の生活の中で、少しずつ体を整えていきましょう。
① 適度に体を動かす
ウォーキングや軽いスクワット、かかとの上げ下げなど、筋肉を動かす習慣をつけましょう。
長時間座りっぱなしにならないよう、こまめに立ち上がることも大切です。
② 首・手首・足首を冷やさない
首や手首、足首を冷やさないように衣類で調節しましょう。
足元だけでなく、体全体を冷やさない工夫をしましょう。
③ 食事をきちんと摂る
体を温めるためにも、エネルギーや栄養が必要です。
肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質、野菜などをバランスよく取り入れましょう。
温かい汁物や鍋料理などもおすすめです。
④ 入浴で体を温める
シャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる習慣もよいでしょう。
⑤ ストレスをため込まない
緊張が続くと、体もこわばりやすくなります。
好きなことをする時間や、ゆっくり呼吸をする時間を作り、心と体を休ませましょう。
【まとめ】
手足の指先が冷たい末端冷え性。
その原因は、血流の低下だけでなく、ストレス、自律神経、筋肉量、食事など、さまざまなことが関係しています。
漢方では、瘀血や陽虚など、冷えの背景にある体質を考えながら、その方に合った漢方薬を選んでいきます。
「昔から冷え性だから仕方ない」
「温めても、すぐに冷えてしまう」
そんなふうに諦めていませんか?
冷えの原因は一人ひとり違います。
漢方心愛薬局では、冷えている場所だけでなく、食事や睡眠、胃腸の状態、疲れやすさ、日頃の生活習慣などもお聞きしながら、体質に合った漢方薬をご提案しています。
ご自身の冷えの原因を知ることから始めてみませんか?
手足の冷えでお悩みの方は、お気軽に京都府向日市 漢方心愛薬局にご相談ください。
※この文章の執筆、監修者 薬剤師 岩脇左予巳

