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『竜胆瀉肝湯』突発性難聴で病院の治療と一緒に漢方薬を使いたい方へ
「急に耳が聞こえにくくなった」
「耳が詰まったような感じがする」
「耳鳴りもする」
そんな症状が突然起こると、とても不安になりますよね。
突発性難聴は、ある日突然、片側の耳が聞こえにくくなることが多い病気です。耳鳴りや耳の詰まり感、めまいなどを伴うこともあります。
そして、突発性難聴ではできるだけ早く耳鼻咽喉科を受診することが大切です。
今回は、病院で治療を受けながら、
「漢方薬も一緒に使えないかな?」
という方に向けて、漢方ではどのように考えるのかをご紹介します。

【突発性難聴の原因は?】
実は、突発性難聴のはっきりした原因は、現在も分かっていません。
内耳の血流の問題、ウイルス感染、免疫の異常など、いくつかの要因が関係しているのではないかと考えられています。
そのため、
「ストレスが原因です」
「血流が悪いからです」
と、ひとつの原因だけで説明できる病気ではありません。
また、突然の難聴には、突発性難聴以外にも、メニエール病や外リンパ瘻、聴神経腫瘍など、別の病気が隠れていることがあります。
だからこそ、まず耳鼻咽喉科で検査を受けることが大切です。
【病院ではどんな治療をするの?】
突発性難聴では、ステロイドによる治療が中心となることが多く、症状や状態によって点滴や内服などが行われます。
場合によっては、高気圧酸素療法やステロイドの鼓室内投与などが検討されることもあります。
ただし、どの治療にも効果が確実に保証されているわけではありません。
だからこそ、
「病院の治療を受けているけれど、漢方でできることはないかな?」
と考える方もいらっしゃいます。
【異変を感じたらすぐ受診】
1週間以内に治療を開始した場合に治療効果がが高いと言われています。
30%:完全治癒
50%:改善するが、完全には治癒に至らない
20%:改善なし
おかしいと思ったらすぐに耳鼻科を受診してください。
【漢方では「突発性難聴だから、この漢方」という考え方をしません】
漢方では、
「突発性難聴だから○○湯」
と病名だけで薬を決めるのではありません。
同じ突発性難聴でも、
・耳鳴りの音はどんな感じなのか
・耳が詰まっているのか
・めまいがあるのか
・頭痛や肩こりはあるのか
・のぼせや顔のほてりはあるのか
・口が苦い感じがするのか
・ストレスや怒りで症状が強くなるのか
・眠れているのか
・食欲や便通はどうなのか
など、その方の全身の状態を見ていきます。
そして、
「今、この人の体では何が起こっているのだろう?」
と考えて、漢方薬を選んでいきます。
【『竜胆瀉肝湯』が選択肢になる人は】
・耳鳴りや難聴が突然起こった
・イライラしやすい
・ストレスで症状が悪化する
・目が赤い、充血しやすい
・頭痛やのぼせがある
・口が苦い
・尿が濃い、排尿に関する症状がある
などの症状を伴う場合は、「肝胆の熱が上に上がっている」と考えます。
このような状態では、『竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)』が選択肢になることがあります。
竜胆瀉肝湯は、漢方の考え方では「肝胆の熱をさます」「湿熱を外に出す」方向に働かせる処方です。
ただし、竜胆瀉肝湯は「突発性難聴に使う薬」として一律に使うものではありません。
体力や症状、体質などを見ながら、その人に合うかどうかを判断します。
また、竜胆瀉肝湯には甘草が含まれるため、他の漢方薬や甘草を含む薬などとの重複にも注意が必要です。
【病院の薬を飲んでいるから、漢方は飲めないのか?】
病院での治療を受けながら、漢方薬を取り入れることを検討できる場合もあります。
ただし、
「病院の薬+漢方なら何でも一緒に飲めばいい」
ということではありません。
現在飲んでいる薬、持病、体質などを確認したうえで、漢方薬を選ぶ必要があります。
特に突発性難聴は、発症してからの早期治療が重要なので、
漢方薬を試すために耳鼻咽喉科の受診を遅らせることはおすすめしません。
病院の治療をきちんと受けながら、
「漢方では、今の私の状態に何ができるだろう?」
と考えてみるのがよいと思います。
【突発性難聴のとき、生活で気をつけたいこと】
治療と同時に、身体を休ませることも大切です。
① 無理をしすぎない
突然聞こえなくなると、不安になって、
「早く治さなきゃ」
と頑張ってしまいます。
でも、仕事や家事などをいつも通り完璧にしようとせず、できるだけ身体を休ませましょう。
② 睡眠を大切にする
睡眠不足や疲労は、耳鳴りなどの症状をつらく感じさせることがあります。
できる範囲で、睡眠時間を確保しましょう。
③ 大きな音を避ける
イヤホンや大きな音で耳に負担をかけすぎないようにしましょう。
④ お酒や刺激の強いものを摂りすぎない
体調が落ちているときは、飲酒や刺激の強い食事を控えめにして、消化のよい食事を心がけるのもよいでしょう。
⑤ 「なぜなったんだろう」と考えすぎない
突発性難聴の原因は、はっきり分かっていません。
「私が無理をしたからだ」
「ストレスのせいだ」
と、自分を責めすぎないことも大切です。
【漢方薬は「耳」だけを見て選ぶものではありません】
同じ「突発性難聴」でも、
「イライラしてから耳がおかしくなった人」と、
「疲れ切っていて耳が聞こえにくくなった人」と、
「めまいやむくみを伴っている人」では、
漢方での見方が違ってくることがあります。
竜胆瀉肝湯だけではなく、体質や症状によって別の漢方薬が候補になることもあります。
だからこそ、漢方薬局では、
「突発性難聴です」
だけではなく、
「今、身体全体がどんな状態なのか」
を一緒に考えていきます。
【まとめ】
突発性難聴は、突然起こるため、とても不安になる病気です。
まずは耳鼻咽喉科で検査を受け、必要な治療をできるだけ早く始めることが大切です。
そのうえで、
「病院の治療を受けながら、漢方でできることも考えたい」
という方は、漢方薬局に相談してみてください。
竜胆瀉肝湯が合う方もいれば、別の漢方薬が合う方もいます。
大切なのは、
「突発性難聴だから、この漢方」ではなく、
「今のあなたの身体には、どんな漢方が合うのか」
を考えること。
耳の症状だけでなく、睡眠、疲れ、ストレス、食欲、便通、冷えやのぼせなど、身体全体のお話を聞きながら、一緒に考えていくのが漢方相談です。
「病院で治療しているけれど、漢方でも何かできることはないかな?」
そんなときは、一人で悩まずに京都向日市にある漢方心愛薬局にご相談ください。
※この文章の執筆、監修者 薬剤師 岩脇左予巳

