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『苓桂朮甘湯』お天気が悪くなる前、急性のめまいでお困りの方へ
季節の変わり目は、特にめまいを訴える方が多いですが、お盆のお墓参りの時に甥(病院薬剤師)が、最近めまいの人が多いと話していました。また、病院の帰りに立ち寄ってくださったお客様からも、友人などにめまいの人が多いと聞きました。
めまいといっても、様々な原因があると漢方では考えます。
どんな原因のめまいがあり、どういったことに注意したらよいか、重篤な病気がかくれているめまいはどのようなものか、また漢方薬ではどういったことが出来るかについてお話したいと思います。

【注意したほうがよいめまい】
脳神経が原因しているようなめまいは、病院で検査してもらう必要があります。
脳腫瘍や脳出血、脳梗塞が原因して起こるめまいは、外科的な手術が必要となります。
注意が必要なめまいには前兆があります。
よろよろするようなめまいに以下のような症状がある場合はすぐに救急車をよんで病院にすぐ行くようにしてください。
激しい頭痛
ろれつが回らない
手足や顔にしびれや麻痺がある
意識が低下している
【一般的なめまいの原因と病院での治療】
脳の外科的手術が必要なめまいではない場合、
眩暈発作時
➡内耳の血流をよくするため炭酸水素ナトリウムの静脈注射をします。一時的によくなりますが、根本治療ではありません。
良性発作性頭位性眩暈
➡最も多いとされる。めまいは10分以内に治まります。体の傾きや動きを感じる耳石が耳の奥の「前庭」というところにあり、頭を動かしたときに、本来の場所からはがれて三半規管に入り込むと、「動いていないのに動いた」と脳が誤認してめまいが起こります。一度なると耳石がはがれやすくなり再発しやすいのが特徴です。頭や体を動かして迷い込んだ耳石を三半規管から元の場所にもどす耳石置換法、耳石整復法というのがあります。これは決められた順番で頭、体を動かします。この方法でかなり改善するのですが、どの三半規管に耳石が入ったかで方法が違うようなので、自己流でやるより耳鼻科で診断してからするのがよいと思います。
持続性視覚性姿勢誘発眩暈
➡ふわふわする、揺れる、地面が不安定といった感じが長く続くタイプのめまいです。3か月以上ほぼ毎日なり、立っていると不安定、歩いたり動くと悪化する、スーパーや人混み、駅などの視覚情報が多い場所やパソコン、スマホの画面を見るとつらくなるといった特徴があります。治療は、①前庭リハビリテーション:頭や体を動かしたり、視界を動かしたりして、脳が「この動きは怖くない」と再適応する訓練です。②認知行動療法:「めまいが起きるかも」といった予期不安などに有効です。③薬物療法:うつ病ではないのですが、少量の抗うつ薬を脳の感覚処理、不安の改善、過覚醒の調整を目的に服用します。
【漢方薬が有効なめまい】
原因のはっきりしない急性、慢性のめまいに有効です。
病院のお薬使っても改善しないめまいは、漢方薬のほうが有効かもしれません。
【漢方ではめまいはどう考えるのか】
めまいは漢字で眩暈と書きます。
目眩➡めがくらむこと
頭暈➡頭がふらふらすること
二つ目の文字をつなげて眩暈
眩暈の多くは、内傷病といわれ、臓腑の機能失調が原因していると漢方では考えます。関連が深いところは、脳、肝、腎、脾です。
めまいは、精神的ストレス(肝)、気候(気圧)、疲労(虚)の変化の三要素が大きく関与していることが多いです。
【急性のめまい、雨の前にめまいになるなら苓桂朮甘湯】
今までにめまいになったことがなく、お天気が悪くなる前、もしくはお天気が悪くなった時、水の摂り過ぎ、夏の終わりや季節の変わり目にめまいがしたなら、苓桂朮甘湯をお試しいただくのがよいと思います。
めまいのほかに以下の症状があると、苓桂朮甘湯かなり有効です。
頭がぼーっとする
頭を布で包まれたように感じる
悪心
食欲不振
胸部の閉塞感
舌はむくんでいる
不眠はない
これを服用しても改善しない場合は、血の不足や血の汚れ、ストレスや体の弱りなどが原因していますので、他のものほうがよいと思います。
【まとめ】
ひどいめまいは、日常生活や外出が不安になり、ひどい場合は救急車を呼ぶほどです。
外出先や立位でめまいがしたら、転倒防止のため、かならず低い姿勢をとるようにしてください。
今回紹介した苓桂朮甘湯は、めまいのファーストチョイスの漢方薬です。もともとの体質や原因によって使う漢方薬は違いますし、体のためにしていることがめまいの原因になっていることもあります。めまいになった時期、きっかけ、ひどくなる条件によって、ご自身では気づいていない体質、体の癖があります。原因となっていることに気づくだけで、改善することがあります。漢方薬がぴったりあうと、めまいだけでなく他の症状が気にならなくなることがあります。
私の母は、車酔いをよくしていていました。更年期を過ぎたあたりからめまいがひどくなり、大阪の病院に長くかよい点滴をしてもらっていました。腎臓にがんがみつかり、漢方薬を服用し始めて、飲食の摂り方を変えたこともあって、車酔いもしなくなり、めまいもしなくなりました。めまいを改善しようと思って漢方薬を服用したわけではないのに、他のところ変わっていくのが漢方薬の継続服用のよいところだと思います。
病院のお薬や適切な運動療法などで改善すればよいのですが、なかなか改善しない場合は、京都向日市にある漢方心愛薬局にお気軽にご相談ください。お待ちしております。
※この文章の執筆、監修者 薬剤師 岩脇左予巳

